グローバルな視点で見た日本の医療の問題

日本の医療のグローバル化について考えるにあたり、前提として考えなくてはならない問題点がいくつかあります。
その一つが「医療従事者の人手不足」です。

平均寿命の延伸化と出生率の低下により、日本の労働人口は年々降下の一途をたどっています。
特に医療従事者においては、業務量が多く激務になるケースが多いことから、離職率が高い状態が続いています。
一方である調査によると、「看護師の採用を今年度から増やす予定である」と回答した病院は、日本全体の病院のうち約30%を占めていました。
需要は多いのにも関わらず、人手が足りないという需要と供給のバランスが崩れている状態があることが見て取れます。
そんな中、今後も少子高齢化は続くことが予測されており、労働人口の回復は見込めないと言われています。

また、海外と比較して1病床あたりの看護職員配置数の数が少ないことも問題視されています。
とあるデータによると、欧米諸国では、1病床につき3~4人が平均値となっていますが、日本の場合は約0.9人と明らかに低く、世界ランキングで見ても低い数値となっています。
ICUなどの高度な医療技術を必要とする場にも同じことがいえるため、日本の医療の質の低下が懸念されています。

この状況を打破するためには、医療従事者の待遇を改善する必要があるといわれています。
不規則な勤務形態を見直し、深夜手当を増やすのも一つの手でしょう。
もしくは、看護職員の負担になる採血や予診業務をロボットなどに対応してもらうといった考えもあります。

いずれにせよ、何か対策を打たないことには、日本の医療自体が崩壊してしまう最悪な事態になりかねません。
医療のグローバル化が進む今、早急な変革が求められています。